馬鹿親子
ひとつ、たとえ話を書いてみる。
我が家と隣家は、主が大の仲良し。息子同士の交流もある。
ある日、隣家から娘の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。以前から虐待の噂があったが、事実であるらしい。
なんとかせねば、と我が家の家族。
とにかく警察を呼ばなくちゃ、という母を制して、我が家の主はこう言った。
「隣人のいやがることをするのはよくないよ」
彼は、こう考えているようだ。隣のご主人とは町内会で一緒の役員なのだから、運動会も近い今、波風立てるのは好ましくない。ほうっておけば、そのうち静かになるだろう。娘も死体になれば、泣き叫ぶこともないのだし。これがバランスのとれた「平和的解決」というものだ。
呆れる家族の中で、父の意見に同調する息子がいた。
「そうだよ、そうだよ、お隣なんだから、仲良くしないといけないよ! 友好だよ、ユーコー!」
見れば、つむじが左へ巻いている。それを隣家の主人に気に入られ、ときどき飴玉をもらっていたようだ。
さて、この馬鹿親子を、家族はどうしたらいい?
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