リバーズ・エッジ
岡崎京子「リバーズ・エッジ」。評価の高い作品で、私も面白く読んだ。
しかしこれを手に取ったきっかけは、「文学界」に掲載された小谷野敦のエッセイで、そこでは次のように批判的に書かれている。「『リバーズ・エッジ』に私が感じた違和感は、まさにこの「子供共同体」を神聖視する観点が、決して付随的なものではなく、本質的なものとして内在していたからだ。いじめがあろうが、軋轢があろうが、この場合は高校生である「子供」は、「大人」には理解できない共同体を構成するものである、という視点である。」
「文学者の〈いじめ〉責任」と題したこのエッセイじたいは、私は興味深く読んだのだが、いざ「リバーズ・エッジ」を読み終えてみると、その批評としては、上記引用箇所の前後を読みあわせても「?」であるといわざるをえない。
地上げされたまま、手つかずの河原のヤブ。半ば忘れられたその土地で遭遇する「死体」への、登場人物たちの奇妙にズレたリアクションが、この作品全体を貫く世界観である。この世界観を一旦了解した読者は、ちょっとイカレた登場人物たちの行動も、とりあえず違和感なく受け入れることができるだろう。
とはいえ、最後まで主人公に感情移入して物語を読み進められるとは限らない。
登場人物の一人・吉川こずえが終盤、主人公・ハルナを横目に言う。「行こ 山田君 アホはほっとこ」まさに私の主人公に対する気持ちもそんな感じ。唐突に橋の上で涙されても、なんだかなーとシラケてしまう。むしろ私は、山田君を慕い、文字通り恋に身を焦がす、田島カンナに感情移入してしまったよ。
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