東京日記
内田百けん(「けん」は、門構えに月)の「東京日記」であることは間違いないのだ。
堀から出た、牛よりも大きな鰻が、電車通りを這っている。「辺りは真っ暗になって、水面の白光りも消え去り、信号灯の青と赤が、大きな鰻の濡れた胴体をぎらぎらと照らした。」という描写を読んで、私が頭に思い描いたものなのか、はたまた映像化されたものを、テレビで見たのだったか?
いや、挿絵だ。
と思い至り、「文藝別冊[総特集]内田百けん」をひろげて見た。
逆柱いみり氏のイラストがあり、そうそう、これこれ!と、ようやく合点がいった。「花火」、「山東京伝」、「烏」、「支那人」、「疱瘡神」、「白子」、「波止場」、「豹」…しかし肝腎の、「東京日記」のイラストが、ないのである。
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