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異邦人

20070929 「きょう、ママンが死んだ」の書き出しが超有名なカミュの「異邦人」。
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画を見て笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、不条理の認識を極度に追及したカミュの代表作」と、古本屋で50円で購入した新潮文庫(窪田啓作訳)のカバーに書かれてあるのだけど、あらすじは、まあそうとしても、主人公のムルソーは「通常の論理的な一貫性が失われている男」として描かれているわけではないと思うし、この紹介文から想像する内容と、実際の内容とでは、印象にずいぶん隔たりがある。
それでなんだか期待を裏切られたようで、以前は途中で読むのをやめてしまったのだけれど、改めて読了してみれば、これがたいへん面白い。
「卒業式で泣かないと、冷たい人と言われそう」と歌ったのは斉藤由貴だが、ムルソーは、そんなことには頓着しない。卒業式ではなくて、ママンの葬式で、泣かないのであるが。しかしそれって人格にとって、特別な、決定的な何ごとかであろうか? 「冷たい人」と言う人々(検察、裁判官、陪審員ら)によって、彼は異邦人として葬られる。
カバーの紹介文は、そんな「人々」の視点から書かれたものであると解釈すれば、一応納得がいく。

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