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男たちの円居

20060408古井由吉「男たちの円居」(講談社)。
「円居」は「まどい」と読む。
大辞林 第二版によれば、『〔古くは「まとい」。円(まと)居(ゐ)の意〕(1)まるく居並ぶこと。車座になること。 「若き紳士等は中等室の片隅に―して/金色夜叉(紅葉)」(2)親しい人たちが集まり、語り合ったりして楽しい時間を過ごすこと。団欒(だんらん)。 「ストーブを囲んでの―を楽しむ」』とのこと。
ATOKで変換すると、先頭に「惑い」と出た。無意味な偶然ではないだろう。
初出は「新潮」昭和45年5月号。パソコンはおろかワープロもない時代に書かれたこの作品が、今読んでも、まったく色あせることなく、読者の皮膚に不気味にまとわりつく。
この優れた作家の作品を読むといつも、たとえば何もない空間に、眼差しがぼんやり溶け込んで見えない何かを見、その「何か」を描写する力が、言葉には確かにあるのだ、と再認識させられる。
収録作品は他に「雪の下の蟹」(白描・昭和45年11月)、「子供たちの道」(群像・昭和44年11月)。講談社文芸文庫で入手可能(写真は単行本)。

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