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リハビリ/医療

2025年7月10日 (木)

廃用手

廃用手とは、麻痺や運動障害を持つ上肢に対して、患者が意識的・無意識的にその手を使わないことで、使用機会の減少とともに機能のさらなる低下を招いた状態をいう。

2025年6月24日 (火)

身体失認と自己崩壊

脳卒中などによる**身体失認(asomatognosia)**が進行すると、確かに「自分の身体が自分のものではない」という感覚に陥ることがあります。そして、重度になると、その感覚は「自己の存在そのものが曖昧になる」という、アイデンティティの根幹を揺るがす体験に繋がることもあります。

 

身体失認とは?
脳の損傷(特に右半球の頭頂葉など)により、自分の身体の一部を「これは自分のものではない」と感じたり、そもそも認識できなくなる症状です。以下のような形があります:

 

身体部分否認(somatoparaphrenia):たとえば左手があるのに「これは私の手ではない」と主張する。

 

空間無視(unilateral neglect):身体の一側や視野を無視する。

 

所有感の喪失:そこにある身体の一部を「所有している」と感じられない。

 

自己の崩壊感との関係
身体というのは、「自分が存在している」という感覚を構成する重要な要素です。以下のような段階で、その「自己感」は揺らいでいきます:

 

自己身体の境界の曖昧化
自分の手足が「他人のもの」のように感じられると、身体の所有感や位置感覚がぼやけます。

 

自己主体感の消失
動かしているのに「自分が動かしていない」と感じたり、自分が行っている行為が「他者によって操られている」ように錯覚する(作為体験)。

 

自己同一性のゆらぎ
身体の実感が失われていくと、「私は誰か」「ここにいるのは本当に自分なのか」といった存在論的な不安・解離感に至ることがあります。

 

類似する状態や症候群
離人症(depersonalization):精神科領域で語られることが多いが、「自分が自分でない」「現実感がない」などの症状。

 

コタール症候群:自分が死んでいる、あるいは存在していないと感じる極端な状態。

 

哲学的ゾンビのような自己観:自分の内部の主体が感じられない、外からの機械的な存在としての自己感覚。

 

まとめ
はい、身体失認が進行すれば、確かに「自分が自分でない」ような感覚が現れる可能性はあります。それは単なる身体的な感覚の障害にとどまらず、自己意識の根底を揺るがす存在的な不安や違和感に結びつきます。

 

このような体験を「脳機能の異常」で説明できることは、逆に「普段私たちが感じている自己や存在感」が、いかに脳という物理的な器官に依存しているかを強く示唆します。

 

 

2025年6月23日 (月)

身体図式の障害

「脳卒中による身体図式の崩壊(body schemaの障害)」は高次脳機能障害の一種に含まれると考えられます。

 

■ 詳細な説明
◆ 高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、言語・記憶・注意・遂行機能・認知など、脳の高次な処理機能に関する障害の総称です。原因は多くの場合、脳卒中、脳外傷、脳炎、脳腫瘍などによります。

 

◆ 身体図式の崩壊とは
「身体図式(body schema)」は、自分の体の大きさ・位置・姿勢などを無意識的・即時的に把握する機能です。これが崩れると:

 

自分の手足の位置がわからない

 

身体の一部を「自分のもの」と認識できない(身体失認)

 

動作のぎこちなさや失調が起こる

 

これらは前頭葉、頭頂葉、あるいは小脳・脳幹の損傷で起こることがあります。

 

■ なぜ「高次脳機能障害」に含まれるのか
身体図式は単なる運動機能ではなく、無意識的な身体認知や空間認知に関わる神経機能に依存しており、これは明確に「高次脳機能」の範疇にあります。

 

例えば:

 

右頭頂葉損傷 → 半側空間無視や身体失認(asomatognosia)

 

前頭・頭頂連合野の障害 → 自己身体のイメージの破綻

 

■ まとめ
脳卒中によって身体図式が崩れる現象は、高次脳機能障害の一種として捉えられます。これは、単なる運動麻痺ではなく、脳が自分の身体をどう「認知」しているかというより複雑な神経処理の障害であるためです。

 

必要であれば、医学的分類やリハビリの観点からの補足も可能です。

2025年6月19日 (木)

梨状症候群

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/piriformis_syndrome/

2025年5月31日 (土)

身体図式と身体地図

■ 身体図式(Body Schema)
定義:無意識のうちに身体の位置や動きを把握・調整するための内部モデル。

 

特徴:

 

感覚運動に基づく:触覚、固有受容感覚(筋肉や関節の位置感覚)、前庭感覚などが関与。

 

無意識的処理:普段意識せずに使われている(例:目をつぶっていても鼻を触れる)。

 

運動制御に直結:歩く、物をつかむなどのスムーズな動きに不可欠。

 

例:

 

電車でバランスを取るときに、無意識に体を傾けている。

 

狭いドアを通るときに体をひねって無意識に通れるようにする。

 

■ 身体地図(Body Image / Body Map)
定義:自分の身体に対する意識的なイメージや認知。

 

特徴:

 

視覚や言語、社会的要因が関与:鏡に映る自分の姿や他者からの評価なども影響。

 

意識的な要素が強い:自分が「どう見えているか」「どう感じているか」。

 

情動や自己評価に影響:身体に対する満足・不満などが含まれる。

 

例:

 

鏡を見て「太ったな」と感じる。

 

義足を使っている人が、それを自分の一部として「感じられない」。

 

■ 両者の違いまとめ
特徴 身体図式(Body Schema) 身体地図(Body Image / Map)
意識レベル 無意識的 意識的
関与する感覚 感覚運動系(触覚、固有受容感覚など) 視覚・感情・社会的認知など
役割 運動の調整、空間把握 身体認識、自己イメージ、自己評価
可変性 比較的安定(が、訓練や障害で変化あり) 経験・感情・社会的影響で大きく変化する

 

 

マルチタスクが苦手

■ 高次脳機能障害とは
事故や病気(脳外傷・脳出血・脳梗塞など)によって脳の一部が損傷され、記憶・注意・判断・感情制御・言語理解などの認知的な機能に障害が出る状態です。

 

■ マルチタスクが苦手な理由
1. 注意のコントロール機能の低下
マルチタスクでは、複数の対象に対して注意を分配・切り替える能力が求められます。
→ 高次脳機能障害ではこの注意の分配・転換が苦手になります。

2. ワーキングメモリの低下
作業中に一時的に情報を頭に留めながら処理する力(ワーキングメモリ)が低下するため、
→ 一つのタスクを処理している間に、他のタスクの情報を保持できなくなる。

3. 遂行機能の障害
「何を」「どの順番で」「どうやってやるか」を計画・実行・修正する能力(遂行機能)が障害されると、
→ 複数のタスクを同時進行する計画力や柔軟性が乏しくなる。

4. 情報処理速度の低下
情報を処理するスピードが遅くなるため、
→ 複数のことを素早く切り替えたり、こなしたりすることが難しくなる。

■ 日常生活での例
料理をしながらテレビを見る → 料理の手順が抜ける

電話しながらメモを取る → 話の内容が抜ける・書いたことを忘れる

複数人との会話 → 話題の転換についていけない

 

 

2025年5月28日 (水)

感覚異常

https://chatgpt.com/share/6837142d-e77c-800d-b21d-5b2f64c5a9ca

 

中枢性パレステジア

2025年4月 8日 (火)

術後せん妄

https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/kango/jutsugosenmou.html

 

術後せん妄とは、手術をきっかけにしておこる精神障害で、手術の後いったん平静になった患者さんが1~3日たってから、急激に錯乱、幻覚、妄想状態をおこし、1週間前後続いて次第に落ち着いていくという特異な経過をとる病態をいいます。

 

 高齢の方に起こりやすく、術後の回復期に起こるため、術後の看護、ケアーの妨げになります。一度発症すると、生命維持に重要な管を抜いてしまう、夜間大声を上げて暴れるなど、看護スタッフによるケアーが困難になり、周囲の患者さんにも迷惑がかかります。さらに転倒・転落の危険も増大し、術後の大きな問題となってきます。

 

 高齢の方の術後合併症の中では最も多く、75歳以上の胃癌(胃がん)、大腸癌(大腸がん)の手術例の検討では27%の方に術後せん妄が起こっていました。

レセプト

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/dl/s0414-5i.pdf

2025年3月31日 (月)

シロドシン

 https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/25/2590010F2038.html

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