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リハビリ/医療

2025年11月11日 (火)

身体図式の拡張

車両感覚は、身体図式が外部対象(=車)に拡張された状態と考えられます。
研究によると、人は道具や機械を繰り返し使うことで、その外部物体を身体図式に取り込むことができます。
たとえば:杖を使っている人は、杖の先端までが「自分の身体」として感じられるようになる
テニスプレイヤーは、ラケットの長さや反発を身体感覚として統合している
車の運転者は、車体の外縁までを「自己の延長」として感じるようになる
つまり、運転経験が積み重なると、**「身体図式 → 車体を含む拡張身体図式」**へと再構築されるのです。

2025年10月27日 (月)

身体図式と車両感覚

■ 身体図式とは

 

**身体図式(body schema)**とは、自分の身体の大きさ・形・位置・動きなどを無意識のうちに把握している感覚的・運動的な枠組みを指します。
これは視覚・触覚・固有感覚(筋肉・関節からの感覚)などから形成され、

 

「自分の手はどこにあるか」

 

「足をどのくらい動かせば階段を上れるか」
といった動作をスムーズに行うための内部モデルのようなものです。

 

■ 車両感覚とは

 

車両感覚(vehicle sense)とは、車を運転する際に、車体の大きさ・幅・長さ・位置関係をあたかも自分の身体の一部のように感じ取る感覚のことです。
たとえば、

 

狭い路地をバックで通るときに「あと5cmでぶつかる」と直感的にわかる

 

ハンドルを切るときに「タイヤの軌跡」が自然にイメージできる
といった現象がこれに当たります。

 

■ 両者の関係:身体図式の拡張

 

車両感覚は、身体図式が外部対象(=車)に拡張された状態と考えられます。

 

研究によると、人は道具や機械を繰り返し使うことで、その外部物体を身体図式に取り込むことができます。
たとえば:

 

杖を使っている人は、杖の先端までが「自分の身体」として感じられるようになる

 

テニスプレイヤーは、ラケットの長さや反発を身体感覚として統合している

 

車の運転者は、車体の外縁までを「自己の延長」として感じるようになる

 

つまり、運転経験が積み重なると、**「身体図式 → 車体を含む拡張身体図式」**へと再構築されるのです。

 

■ 神経心理学的裏づけ

 

脳内では、身体図式を司る領域(主に頭頂葉後部・運動前野)が、
工具や車などの外部物体を扱う際にも活動することが確認されています。

 

たとえば、fMRI研究では、

 

熟練ドライバーが運転シミュレーションをしているとき、身体図式関連領域の活動が高まる

 

車体の幅を誤認しない人ほど、この領域の統合が強い
といった結果が報告されています。

2025年10月26日 (日)

神経障害性疼痛と錯触覚

「神経障害性疼痛(neuropathic pain)」と「錯触覚(さっしょっかく, paresthesia)」は、ともに神経系の異常興奮や可塑的変化に起因する感覚異常であり、互いに密接な関係を持っています。以下で整理します。

🧠 1. 神経障害性疼痛とは

神経障害性疼痛は、「末梢神経または中枢神経系に直接的な損傷または疾患が起きた結果として生じる疼痛」を指します。
代表的な原因には、

糖尿病性神経障害
帯状疱疹後神経痛
三叉神経痛
脊髄損傷や脳卒中後の疼痛
手術や外傷後の神経損傷
などがあります。
この疼痛は、組織損傷に伴う侵害受容性疼痛(いわゆる“ケガの痛み”)とは異なり、神経回路そのものが異常興奮して痛みを作り出す点が特徴です。

⚡ 2. 錯触覚(paresthesia)とは
錯触覚は、「実際には刺激がないのに、何かに触れられたように感じる異常な感覚」のことを指します。
例えば:

針で刺すようなピリピリ感
電気が走るような感覚
蟻が這うようなムズムズ感
じんじんするしびれ
などが含まれます。
これは、異常な感覚入力や神経回路の自発的活動によって起こります。

🔗 3. 両者の関係
神経障害性疼痛の症状の中には、「痛み」と「錯触覚」が混在して現れます。
つまり、錯触覚は神経障害性疼痛の一形態または随伴症状と考えられます。
関係を整理すると以下のようになります:

感覚異常の種類 説明 神経障害性疼痛との関係
異常感覚(dysesthesia) 不快または痛みを伴う感覚異常 神経障害性疼痛に含まれることが多い
錯触覚(paresthesia) 不快でないが異常な感覚(チクチク・しびれなど) 神経障害の初期や軽度段階に出やすい
自発痛・アロディニア 刺激なし/弱刺激でも強い痛み 神経障害性疼痛の典型的特徴

したがって、錯触覚は神経障害性疼痛スペクトラムの一端に位置する感覚異常です。

🧩 4. 生理学的メカニズム
神経損傷によって以下のような変化が起きます:
末梢神経の異所性発火:損傷部位や神経節で神経が自発的に放電する
ナトリウムチャネルの異常発現:過剰興奮性を引き起こす
中枢感作(central sensitization):脊髄後角や脳で痛み信号が過大に処理される
抑制性介在ニューロンの機能低下:痛み抑制回路が働かなくなる
これらにより、触覚・温度覚などの通常の入力が痛みや錯触覚に転換されることがあります。

💊 5. 臨床的意義
錯触覚の出現は、神経障害性疼痛発症の前兆や軽症例であることがあり、早期診断に役立つ。
治療には、**抗てんかん薬(プレガバリン、ガバペンチン)や抗うつ薬(デュロキセチン、アミトリプチリン)**などが用いられます。
通常の鎮痛薬(NSAIDsなど)は効果が乏しい。

🔬 まとめ
項目 内容
神経障害性疼痛 神経損傷による「痛み」そのもの
錯触覚 同じ機序で生じる「痛みを伴わない異常感覚」
関係 錯触覚は神経障害性疼痛の“周辺症状”または“前駆症状”として現れる
機序 神経の異所性発火・中枢感作などの神経可塑的変化
治療 プレガバリン・デュロキセチン・三環系抗うつ薬など

神経障害性疼痛

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/09-%E8%84%B3-%E8%84%8A%E9%AB%84-%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%97%9B%E3%81%BF/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E6%80%A7%E7%96%BC%E7%97%9B

神経障害性疼痛の原因としては以下のものがあります。
神経の圧迫:例えば、腫瘍、椎間板破裂(腰痛または脚に広がる痛みを引き起こす)、または手首の神経の圧迫(手根管症候群を引き起こす)によるもの

神経の損傷:神経に影響を及ぼす病気(例えば糖尿病や帯状疱疹)などでみられる

脳と脊髄が痛みの信号を処理する過程の異常または妨害

幻肢痛、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹の後に起きる痛み)、複合性局所疼痛症候群では、痛みの信号を処理する過程に異常が生じています。

神経障害性疼痛は、手術の後、例えば乳房の除去(乳房切除術)または肺の手術(開胸手術)の後に生じることもあります。
神経障害性疼痛がきっかけで、不安や抑うつに陥ることもあります。不安や抑うつにより、痛みがさらに悪化することがあります。

2025年10月 8日 (水)

神経障害性疼痛

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/07-%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%96%BE%E6%82%A3/%E7%96%BC%E7%97%9B/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E6%80%A7%E7%96%BC%E7%97%9B

2025年10月 5日 (日)

錯感覚の医学的理解

1. 基本定義
錯感覚(dysesthesia / false sensation)
実在の感覚刺激が別の種類の感覚として誤って知覚される現象。
刺激がある → しかし質が変容して知覚される。
例:軽い触覚刺激を「熱い水の中にいる」と感じる。
👉 「幻覚(刺激なしで生じる)」でも「錯覚(刺激を誤認する)」でもなく、感覚モダリティが変換される異常。
2. 発生メカニズム(神経学的視点)
視床損傷(Dejerine-Roussy症候群/視床痛)
触覚刺激が「灼熱感」「冷水感」になる。
視床は感覚の中継点であり、情報の質的変換が誤作動する。
頭頂葉損傷(特に右半球)
身体図式の異常や空間知覚の歪みと関連。
平坦な地面が坂に感じられることも。
脊髄・末梢神経障害
ニューロパチー(糖尿病性、帯状疱疹後など)でも「冷水感」「絞扼感」「異物感」が起こる。
3. 臨床での位置づけ
感覚障害の一種として分類される(知覚異常の中に含まれる)。
ただし「身体図式の異常」に接続する場合、高次脳機能障害と地続きと見なされる。
4. 症候例
「靴下を履いているような感覚が消えない」
「冷たい水に足を入れている」
「皮膚の下に砂利が詰まっているように感じる」
「床が傾いている」「真っ直ぐ立っているのに体が傾く」
👉 これらは臨床的にpost-stroke sensory syndromeやdysesthesiaとして記録されている。
5. 治療・対応
完全に消すことは難しいが、軽減を狙う治療がある:抗てんかん薬(プレガバリン、ガバペンチン)
抗うつ薬(三環系抗うつ薬:アミトリプチリン)
神経障害性疼痛の緩和に準じた治療
リハビリ:感覚再教育(温度刺激・素材を繰り返し触らせる)で脳の再統合を促す。
⚖️ まとめ
錯感覚は、視床や頭頂葉損傷で典型的に現れる神経学的症候。
臨床的には「感覚障害」に分類されるが、身体図式の歪みを介して高次脳機能障害と連続する。

科学的に見ても、「世界との関係がおかしい」という主観的体験が必然的に生じる土台を持っている。

2025年10月 4日 (土)

脳出血により発生しやすい後遺症

https://noureha-nagoya.jp/cerebral-hemorrhage-sequelae/

 

身体的な障害
麻痺:脳出血が脳の運動機能を司る領域に影響を及ぼすと、患者様は片麻痺症状が現れます。

 

これにより、日常生活の自立が困難になる場合があります。

 

感覚障害:感覚刺激を知覚する感覚野が影響を受けた場合、身体の一部または広範囲にわたって痛み、温度、触覚の感覚が低下または失われます。

 

これにより、日常生活上の様々な事が行いづらくなる可能性があります。

 

認知および言語障害
認知障害:脳の認知機能が影響を受けると、記憶力の低下、判断力の低下、注意力が低下するなどの症状が現れます。

 

日常生活の質の低下につながり、支援が必要になることがあります。

 

言語障害:ことばの理解や表現をつかさどる言語野が損傷を受けると、「話す」「聞く」「読む」「書く」などがうまくできなくなる、失語症が生じることがあります。

 

これらのコミュニケーションの障害が社会参加に大きな障壁となります。

2025年9月19日 (金)

足のしびれ

https://blog.physiocenter-morioka.com/numbness-in-legs/

https://clinic.adachikeiyu.com/3424

2025年9月 1日 (月)

レコーディングダイエット

https://diamond.jp/articles/-/309990#:~:text=%E8%A8%98%E9%8C%B2%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%AF%E3%80%81%E6%AF%8E%E6%97%A5%E3%80%81%E5%8F%A3,%E3%81%84%E3%81%8F%E3%80%81%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

2025年8月29日 (金)

肩こり

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/06_katakori/

 

肩こりを引き起こす主な要因としては、筋肉疲労と血行不良、末梢神経の傷などが挙げられます。それらの要因が単独、または、互いに関連し合いながら肩こりを引き起こします。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっている
いすと机のバランスが悪く偏った姿勢を続けている
かばんをいつも同じ方の肩にかける
長時間冷房のきいた部屋にいて体が冷えている
など、偏った姿勢を続けたり、緊張した状態を続けたりしていると筋肉が疲労して肩こりが起こりやすくなります。

より以前の記事一覧