猫町異聞
駅長が主人公。変わり果てた姿で久しぶりにこの村へ帰ってくる。駅は昔の面影を残しながらも廃線による廃駅と化し、ここでいくら待っても汽車は二度とやってこないのだ。
詩人の去った後のある日、駅のホームで駅長はまた青猫を見かけた。思わず追いかけ、線路に降りたところ、汽車に頭をぶつけ、半身麻痺の身体となった。今は町の大学病院に入院している。バーのママが付き添ってくれている。腕時計が止まってしまい、昔なじみの時計屋なら直せるんじゃないかと思って、ここまできた。時計屋に時計を渡した後、隣町でママの友人の個展に二人で顔を出す予定だった。大通りに出て車を拾おうと提案するママ。しかし駅長は汽車にこだわる。実現可能性のない「希望」のために、、二人の予定(未来)を反故にしてしまうことになるのだ。そのことことを時計屋に窘められる。
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