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2025年10月28日 (火)

ことなかれで言い換えや削除を行おうとする安直さ

初期に書かれた近未来の管理社会を皮肉るショートショートSF『無人警察』(『科学朝日』1965年6月号所収。のち角川文庫2016年新版『にぎやかな未来』収録)が、1993年(平成5年)に角川書店発行の高校国語の教科書に収録されることになった際、作中のてんかんの記述(脳波測定器を内蔵した巡査ロボットが運転手を取り締まる際、主人公が「てんかん持ちの人が異常な脳波を出していた場合もチェックされるらしいが、おれはてんかん持ちでないしなあ」と独白する)がてんかんをもつ人々への差別的な表現であるとして、日本てんかん協会から抗議を受ける(筒井個人と団体間で数度交渉を行い一時決裂したのち、和解する。後述)。団体の抗議自体にではなく、ことなかれで言い換えや削除を行おうとする出版業界の現状や、安易な批判をする、あるいは真摯な擁護を見せずにただ騒ぎに便乗するだけの同業者などに業を煮やした筒井は、1993年9月、月刊誌『噂の眞相』に連載していた日記「笑犬樓よりの眺望」上で「私、ぷっつんしちゃいました」と断筆宣言に至った[18]。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%92%E4%BA%95%E5%BA%B7%E9%9A%86#%E4%BA%BA%E7%89%A9

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