目黒のさんま
お話の内容は、目黒で初めて食べた下魚(げうお)とされていたさんまを大変気に入った殿様が、後日再びさんまを食べたいと家来に話すと、家来たちが新鮮なさんまを取り寄せ、油を抜き骨を抜いたりと丁寧に調理し殿様に差し出しました。しかし、一口食べるとたちまち不機嫌になった殿様。家来に「これはどこのさんまか」確認すると、「新鮮な魚市場で購入しました」と言われた殿様はそこで一言、「やっぱりさんまは目黒に限る」。
普段から手の込んだ高級なものを食べている殿様が、庶民の食べる低級な魚を大変気に入ったことや、魚市場で仕入れた新鮮なさんまを不味いと言い、海のない目黒のさんまのほうが美味しいと言うなど、殿様のその世間知らずな有様を皮肉るお話です。落語の演目には他にも世間知らずの殿様を笑う話はありますが、『目黒のさんま』はその中でもよくできた落語と言われています。
落語の見どころは「殿様が目黒でアツアツのさんまを美味しそうに食べるシーン」と「お城で再度食べたさんまを不味そうに演じるシーン」がポイントで、落ちは「間抜け落(おち)」。目黒ではこのお話にあやかって、現在でもさんまを振舞うイベントが開催されているほどです。
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