パターナリズム
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パターナリズム(ぱたーなりずむ)とは、強い立場にある者が弱い立場の者の意志に反して、弱い立場の者の利益になるという理由から、その行動に介入したり、干渉したりすることである。日本語では家父長主義、父権主義などと訳される。
医療現場においては、「医者と患者の権力関係」がパターナリズムであると、1970年代初頭に医療社会学者のエリオット・フリードソンによって指摘された。著書の『医療と専門家支配』では、医療専門職を専門職のプロトタイプとしており、専門職が社会的支配力をいかに獲得し、患者に影響を及ぼしてきたかなどが言及されている。この医療現場におけるパターナリズムは「医療父権主義」「医療パターナリズム」と呼ばれる。
パターナリズムと相反するものとして、医療現場ではインフォームド・コンセントと呼ばれる原則がある。これは患者が医師から医療方針について十分な説明を受け、納得した上で、患者自らが治療や処置を受け入れる決定を下すものである。
パターナリズムの「患者のためになる」という医師による判断での処置は、患者の同意を得ていない場合、このインフォームド・コンセントに反する。
しかし、幼児や意識不明の患者についてはインフォームド・コンセントの適用がむずかしいことから、親や保護者の意向をくんで治療を行うのが一般的である。
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