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2024年6月 5日 (水)

身体失認

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/82/1/82_11/_article/-char/ja#:~:text=%E8%BA%AB%E4%BD%93%E5%A4%B1%E8%AA%8D%E3%81%AF%EF%BC%8C%E8%84%B3%E5%8D%92%E4%B8%AD,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%EF%BC%8E

 

身体失認は,脳卒中後に出現する病態であり「私の身体は私のものである」といった自己の身体所有の意識の損失を示す高次脳機能障害である.身体失認は,姿勢制御を含む運動制御にも影響を及ぼす要因であると考えられている.しかし,身体失認と姿勢制御との関連について定量化した研究は無い.本研究の目的は,身体失認を呈した脳損傷患者における開閉眼時の静止立位の特徴を明らかにすることとした.脳損傷患者45名を対象とした.課題は開閉眼時の静止立位を30秒間行い,身体動揺は足圧分布計を用いて総軌跡長を測定した.測定肢位は対象者の肩幅程度の開脚立位とし裸足で実施した.また,身体失認の有無は行動観察,対象者の内省で評価し,身体失認の有無の2群間で統計学的解析を行った.データ解析には,脳損傷患者の開閉眼時の総軌跡長を比較するためにWilcoxon符号付順位和検定を用いた.さらに,身体失認あり群と身体失認なし群は開閉眼時の総軌跡長とロンベルグ率を比較するためMan-WhitneyのU検定を用いた.有意水準は5%に設定した.身体失認あり群は15名,身体失認なし群は30名であった.脳損傷患者全体では閉眼時の総軌跡長は開眼時に比べて有意に延長した(p<0.01).また,身体失認あり群は身体失認なし群よりも開閉眼時それぞれの総軌跡長が有意に延長した(p<0.01).さらに,身体失認あり群は身体失認なし群よりも総軌跡長のロンベルグ率が有意に増大した(p<0.01).身体失認あり群は,身体失認なし群に比べ姿勢制御が低下し,開閉眼時の差が大きい傾向にあった.

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