「可能性」と「蓋然性」
「可能性」は、そうなることの確実性の度合いが高い場合にも低い場合にも用いられます。
したがって、「可能性がある・ない」という表現だけでなく、「可能性が大きい・小さい(高い・低い)」という表現も可能です。
一方、「蓋然性」は、たぶんそうなるだろうと予測される場合に用いられる語です。「必然」と「偶然」の中間に位置するのが「蓋然」です。つまり、「蓋然性」という語自体が確実性の度合いを限定しているので、「必然」または「偶然」と呼べるような場合にはこの語を用いることができません。
「可能性」はその「ある・なし」や「高い・低い」に言及することができますが、「蓋然性」はあるかないかだけであると理解したほうがわかりやすいと思います。もっとも、以上のような理解に対しては、「可能性」はpossibilityの意味、「蓋然性」はprobabilityの意味であるととらえて、可能性は有無だけであり、蓋然性は程度を表すとする考え方もあります。
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