代償動作
代償動作(代償運動)とは、本来の動作や運動を行うのに必要な機能以外の機能で補って動作や運動を行うことです。リハビリテーションの現場において代償動作は、疾患や怪我によって機能が障害され、ある動作や運動が行えなくなった時に、ほかの筋肉の動きで動作を補って行うこと、あるいは、何か道具を利用することや環境を整えることで行えない動作を補完して目的を達成することを指します。
患者の姿勢や動作を評価する際や徒手筋力検査(MMT)を行う際には、代償動作が起こっていないかを確認し、代償動作を促したい動作や運動に修正するということが行われます。
例えば、以下のような何かの動作をほかの動作で補って行うことを代償動作ととらえます。手を上に挙げる動作を行う際に指先から上げるのではなく、体幹を側屈(そっくつ:からだを側方に曲げること)させ、肩を挙上(きょじょう:もち上げること)させることで手を上げようと補うこと
骨盤や背中を起こして座ることがしんどいときに背中を丸くかがめて、背もたれにもたれて座ること
歩行時に足が上に上がりにくい際にすり足で歩くことや、ぶん回し歩行(横に足をふって前に出すこと)で足を前に出そうとすること
日常生活の場面やスポーツなどにおいて、代償動作がその人にとって改善すべきものである場合には、まず、代償動作が起こっている要因を探ります。そして、本来使われるべき筋肉を働かすことや関節の可動域を広げること、バランス力や協調性の向上を促して、代償動作が出現しないように姿勢や動作を修正していきます。
反対に、日常生活に必要な動作や運動が身体の機能障害によってうまく行えない場合には、ほかの行い方で行えるように提案・練習したり、道具や環境を整えたりして動作が行えるように代償し、生活機能の低下を防ぐようにすることもあります。
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