学習性不使用
学習性不使用」とは、麻痺側の手足を使用しない状態が長く続くことで、麻痺側の手足を使用しないことを学んでしまい、定着してしまう現象です。脳梗塞発症後から何年も経過している方は、脳自体の損傷によるものと、二次的に生じる学習性不使用によるものとが混在している状態である傾向があります。
片麻痺者にとってさらに厄介なことは、麻痺側の手足を使わないことで、次の3点が起きてしまうことです。・脳への情報伝達を介在する物質(神経伝達物質)の量・質が低下
・脳への情報伝達するために必要なシナプスの変質
・手足の運動機能を司っていた脳領野の減少
※シナプスとは神経伝達物質を送るための橋のようなものです。さらに麻痺のない側の過剰使用によって、残存している周辺の脳領域に麻痺側の手足の脳領野が乗っ取られてしまうこともあります。手においては、手の中の筋肉が弱化してしまうと「学習性不使用」を助長してしまいます。
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