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2020年3月28日 (土)

境界

メルロポンティはこう言っている。
『私の腕がテーブルの上に置かれていても、灰皿が電話機の傍にあるのと同じような意味で、腕が灰皿の傍にあるなどと言おうとは、私は夢にも思わないであろう。私の身体の輪郭は通常の空間的諸関係が超えることができない一つの境界をなしている。』と。
ところがだ。今の私には「夢にも思わぬ」どころか、それこそが実感なのである。翻っていえば、それはもはや「私の」腕とは思えない。

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