同名半盲
同名半盲(どうめいはんもう、英: homonymous hemianopsia/hemianopia)は、神経学症候のひとつで、両眼の同じ側が見えなくなる症候のこと。同名性半盲ともいう。
同名半盲が起きるのは通常眼そのものの機能異常ではなく、大脳が脳卒中や外傷などで障害されることによって起こる。脳血管障害や脳腫瘍によって一側の視索(視交叉と外側膝状体の間の視神経の束)あるいは大脳の側頭葉や後頭葉に障害が生じると、反対側の同名半盲が起こる。例えば右の視索に病変があると、両眼とも視野の左半分が見えなくなる。右後頭葉の脳卒中でも同様の視野欠損が起こるが、この場合は黄斑回避により中心部の視野は保たれる。また側頭葉や後頭葉の小さな病変では、視放線の一部が傷害されるため、視野の半分のうち上半分あるいは下半分だけが欠損する事がある。この場合全視野の4分の1が欠損することになるので、これを同名四分盲という。
右大脳の広範な脳卒中の場合、同名半盲だけでなく左半側空間無視も生じることがある。これは空間認識をつかさどる頭頂葉が障害されることによる。ただしこれは左大脳が優位半球の人(言語野が左大脳にある人。90%以上の人がそうだといわれる)の場合に限る。空間認識は劣位半球の頭頂葉に中枢があるからである。また同名半盲は非可逆的な病変だけで起こるわけではない。例えば片頭痛の前兆期の症状として現れることもある。
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