広場恐怖症
https://www.heartclinic-machida.com/kokoro/byouki/ippan_agoraphobia.html
広場恐怖症は、通常であれば何でもないような状況に対し、過剰な恐怖や不安を持つ「不安症群」の一つです。恐怖する対象で最も多いのは、すぐに逃げ出すのが難しい場所や状況です。具体的には、以下5つの状況のうち2つ(またはそれ以上)に対し、ほぼ常に著しい恐怖または不安があり、それが典型的には6ヵ月以上持続します。
公共交通機関の利用(例:自動車、バス、列車、船、航空機)
広い場所にいること(例:駐車場、市場、橋)
囲まれた場所にいること(例:店、劇場、映画館)
列に並ぶまたは群衆の中にいること
家の外に一人でいること
アメリカの多くの研究者は、パニック症の患者さんの大半に広場恐怖症が併存すると考えています。しかし、パニック症を併発しないこともあるため、アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』では独立した障害として分類されています。
広場恐怖症の患者さんが恐怖する対象として、パニック様症状が現れそうな状況もあります。パニック様症状とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感に襲われ、動悸や発汗、身震い、息苦しさなどが起こることです。
また、自分で何もできなくなったり当惑するような状況も、広場恐怖症の人が恐怖する対象となります。例えば、人前で嘔吐したりお腹を壊したりすること。年配の人なら転倒の恐れ、子どもでは迷子になる感覚などが挙げられます。
広場恐怖症のもう一つの特徴は「回避」です。恐怖や不安を感じる状況を頑なに避けようとするのです。
公共交通機関を利用しないために自宅近所の仕事を選んだり、買い物に出掛けずに済むように宅配を利用したりします。その結果、症状が重い人は、ほとんど家にしばりつけられ、引きこもりのような生活になります。
外出する場合は、家族や友人などの付き添いがあれば耐えられることがあります。患者さんによっては、家から離れるときは常に誰かに同伴して欲しいと言います。しかし、これが疾患によるものではなく、単なる性格の変化だと誤解され、夫婦の不和に陥ることもあります。
広場恐怖症の生涯有病率は議論の余地がありますが、いくつかの研究から2~6%と考えられています。また、『DSM-5』によると女性は男性のおよそ2倍の有病率とされています。患者さんの2/3は初発が35歳前後で、40歳以降にも第二の発症の危険期があります。
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