左脳と右脳では障害を受けたときの症状が異なる
https://medicalnote.jp/contents/150610-000004-PNNCLG
脳卒中における脳損傷が同じように起こっても、左脳と右脳には違った症状が現れてきます。 右脳は、私たちヒトが全体のバランスをとるための役割を果たしています。すなわち、右の脳がやられてしまうと、全体のバランスを取ることができなくなってしまうのです。全体のバランスが取れなくなると、本能的に色々なものごとに固執してしまうようになります。「これはダメですよ」と言ってもそれを止めることができず、衝動を抑制することもできず、学習することもできないため、何度注意しても同じ失敗を繰り返してしまいます。このため、中等度以上の右脳損傷の患者さんの治療は難しいと言えます。これを右半球損傷による劣位半球症候群と呼びます。 それに対して、左脳は計算や言語分野など、非常に高次で、限局的な機能を備えています。それゆえ、左脳が障害を受けてしまうと、言語障害(失語症)や失計算、失書などが起こります。このために、左脳に障害を持った患者さんは重症だと思われがちですが、右脳に障害を受けた患者さんと違い、全体のバランスは保たれています。そのため、左脳損傷の方は右脳損傷の方と対照的に、「学習」ができます。 言語障害は起こってしまうため、言語能力の低下は認められますが、非言語的な学習はできます。ですから、左脳に障害を持っている患者さんの方がリハビリテーションによって回復しやすいといえるでしょう。しかし、大脳が広範に損傷された場合は、左右に関わらず、重度な高次脳機能障害が生じ、回復は容易ではありません。
「リハビリ」カテゴリの記事
- いわゆるリハビリ(2022.05.27)
- 情動性(2022.05.17)
- 回復と代償(2022.05.15)
- 装具をつけない選択(2022.05.09)
- 随意運動と不随意運動(2022.05.02)
コメント