運動麻痺の出現の機序
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2111.pdf
脳卒中により生じる運動障害は大脳皮質の一次運動野から大脳皮質下の放線冠,内包,中脳の大 脳脚,橋腹側,延髄で交叉し脊髄の前角細胞にいたるまでの運動下降路の損傷で起こる(図 1).運 動麻痺の程度や分布を規定するのは脳損傷の部位や大きさであるが,脳卒中では,病変部位は血管 支配の解剖学的特徴に支配され(図 2),運動麻痺の分布はある程度定型的なパターンを呈する.大 脳半球の病変では病変と反対側の上下肢に麻痺が起こり,片麻痺とよばれる.一次運動野内の運動 神経は,内側部は足,そこから外側に行くに従って体幹,腕,手,顔の運動を支配するため,内側 領域が損傷を受ける前大脳動脈領域の病変では下肢に強い麻痺が起こる(図 3).中大脳動脈領域の 病変では上下肢とも麻痺が生じるが上肢に強い場合が多い(図 4).一次運動野内の小病変では,手 に限局したような麻痺が生じることもある(図 5).後大脳動脈領域の病変では,後頭葉の主体の病 変になるため視野障害が主体で麻痺が生じないことも多いが,視床付近の病変により一部内包が損 傷を受けると片麻痺も起こりうる.
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