フォト
無料ブログはココログ

« ケインズ | トップページ | ある個人の所有する特殊な情報 »

2019年6月23日 (日)

劇を「書く」というのはきわめてフィジカルな行為である

単にペンを持って文字を書くだとか、パソコンのキーボードを打つだとかのことを私は言ってるんじゃない。

メルロポンティは次のように言っている。

話している時には、私は、自分のなすべき諸運動を表象するわけではない。ちょうど私の手が、私に差し出されたものを取るためにひとりでに動くように、私の全身体的装置が、語に追いつき語を発語しようと集まるのである。

 

私の手は、しかしもはや「私に差し出されたものを取るためにひとりでに動く」ことはない。そうした運動機能の喪失は、だから広義の失語症といえるのではなかろうかと思うのだ。「書く」というのがフィジカルな行為であると私がいうのは、そういう意味である。
その上でなお、そのことをも書こうと私は思っている。

« ケインズ | トップページ | ある個人の所有する特殊な情報 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ケインズ | トップページ | ある個人の所有する特殊な情報 »