「願わくは」か?「願わくば」か?
文法的な話をさせていただくと、「願わく」は動詞「ねがう(願)」のク語法(活用語の語尾に「く」などがついて、名詞化される語法)で、これに助詞「は」が付いたものが「願わくは」である。もともとは漢文訓読から生まれた語法で、「願わくは、~せんことを」「願わくは~したいものである」といった形で使われた。そのため現代でも、文語調の文章で用いられることが多い。
「願わくば」はその語源意識が失われて、助詞「は」を濁らせて使うようになった言い方なのである。
古典の中でこの「願わくは」を使った用例として最も有名なものは、平安後期の歌人西行の歌集『山家集』(12C後)に載せられた以下の歌であろう。
「願わくば」はその語源意識が失われて、助詞「は」を濁らせて使うようになった言い方なのである。
古典の中でこの「願わくは」を使った用例として最も有名なものは、平安後期の歌人西行の歌集『山家集』(12C後)に載せられた以下の歌であろう。
「ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃」
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