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2019年2月27日 (水)

シグナリング

2001年のノーベル経済学賞受賞者、マイケル・スペンスは、学歴競争の原理を理論的に分析。
その「シグナリング理論」で、教育は、個人の能力を他人に知らせる「信号(シグナル)」として取り扱われる。企業は、労働市場で、求職者ひとり一人の実力を正確に把握しがたい。そのため、求職者は、自分がどれだけ優秀であるかを積極的に知らせなければならない。そのとき、最も効果的な手段が教育である。
スペンスは、教育が必ずしも個人の能力を向上させる、とは考えなかった。一流大学が一流人材を育てるというよりは、一流人材が自身の優秀性を市場に知らせるため一流大学に入る、といった具合の主張だ。大学の卒業証書は、大学で実力をみがいた、という証書ではない。「私には、最初から大学を卒業するだけの実力がある」とのことを示すシグナルにすぎない。
企業にとって、求職者ひとり一人の能力を精査するのは困難。やや不確実なものの、学歴によって見分ける方が簡単となる。
スペンスは、
教育の需要は、良い看板を手に入れようとする欲望によって決まる、
教育は、個人が労動市場に送る信号の強度を強めるための投資と考えた。
平たくいえば、いい大学からいい会社へっていうあれだ。

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