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2019年1月 8日 (火)

シュレーディンガーの猫

ひとつの思考実験だが、少なくともそのままのかたちで実現されるなどとは、着想した人間はもとより、誰ひとり考えたことがなかったものだ。仕掛けは至って簡単だ。箱のなかに一匹の猫を閉じ込める。かなり残忍な箱で、放射性物質、ガイガーがカウンター、猛毒入りのガラスの小瓶が入っている。原子が崩壊して粒子が放出されると、放射線が測定され、それをスイッチに、ハンマーがガラスの小瓶に振り下ろされ、箱のうちに毒が拡散し、猫は即死する。人びとを魅了したのは、この装置の風変わりな性格に拠るところが大きいと思われる。だが、それはひとまず措こう。本質はべつなところにある。この実験の原理は、きわめて簡潔に説明できる。実験で定められた時間内に原子が崩壊すれば、猫は死ぬ。反対に、原子が崩壊しなければ、猫は生きつづける。ところが、まさにこうして検討された現象の特性のために、問題ははじめから複雑になってしまう。というのも、予想されるふたつの仮説は、一方が他方を排除するのではなく、この状況に対して同時にあてはまると見なされなければならないからだ。実験がつづき、観察によって中断されないかぎり、原子は崩壊しており、かつ、崩壊していない。つまり、猫は死んでおり、かつ、生きていると推定しなければならないのだ。

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