2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

« | トップページ | »

2018年12月16日 (日)

メンガー「限界効用理論」の誕生

効用とは、人間の欲望の単位だと考えていただきたい。財(モノ)やサービス1単位を追加したときの人間の効用の増加分を限界効用という。
 限界効用はふつう逓減する。これを限界効用逓減の法則という。
 ざるそばを注文する。追加してもう一枚食べる。さらにもう一枚追加していくと、効用(欲望)は逓減していく。消費量が増えるにしたがって効用は逓減する。財の価値は人間の効用で決まるというわけだ。
 古典派経済学やマルクスの経済学は、財の価値を労働におく。労働で商品の価値が決まるとする。これを労働価値説という。つまりコストで価格が決まるから生産費説ともいう。
メンガー、ジェヴォンズ、ワルラスの3人は、商品の価値は主観的効用で決まるとする。なにより重要なのは、無差別曲線と予算線の交点で効用は最大化するわけだが、関数の多変数を固定し、一部を増加させたときの変化を見るため、偏微分で計算可能ということである。つまり、経済学と数学を直接結びつけたわけだ。経済学が一挙にサイエンスに近づいたといえよう。今日のミクロ経済学の原点である。ただ、メンガーは数学を使っていない。
 無差別曲線とは、x軸とy軸にそれぞれ財を置き、効用を一定とすると無数の組み合わせを結ぶ曲線が何本も引ける。原点に対して凸の曲線だ。これに対して予算線はxとyの組み合わせだから右下がりに引けるので、この予算制約の直線と無差別曲線の交点で効用は最大化する。ミクロ経済学の教科書の初めのほうに必ず出てくる。原点に対して凸になるのは、限界効用が逓減するからである。
「18世紀の啓蒙の科学の最大の特徴は、『自然』と『社会』は、ともに全知全能の『神』が設計し造形した存在物にほかならないというプロテスタント流の自然『神学』の理論を、徹頭徹尾『合理的』に、言葉を言い換えれば、徹頭徹尾『科学的』に基礎付けようとしたことのうちにあった」(『思想史のなかの近代経済学』※注4)。
「社会は、自然と同様に、自律的・規則的な『自然法』に支配されるにちがいない」(前掲書)という思想は、19世紀に入ると西欧全体に普及し、大学の法-国家学部(経済学は国家学の一分野)には「自然法と国家学」という講座ができていく。

« | トップページ | »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« | トップページ | »