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2018年12月 2日 (日)

脳出血

高血圧性脳出血は高血圧と動脈硬化が起こる年齢、つまり50歳台から増えてきます。動脈硬化により脳の細い血管に変化が起こりそこから出血するものと考えられています。しかし日本では食生活の改善や降圧剤による高血圧の管理が行く届くようになり、重症の高血圧性脳出血は劇的に減少しました。高血圧性脳出血の起こる場所はほぼ決まっています。
 大脳の中の方にある被殻(ひかく)に出血するものが最も多く全体の60%を占めます。次に多いのが視床(ししょう)出血で15%、小脳出血が10%、脳幹部の橋(きょう)という場所の出血が5-10%です。その他に大脳半球の表面に近い部分に出血する脳葉出血がありますが、これはAVMや脳動脈瘤の破裂、その他の血管奇形を伴うことが多く、また老人のアミロイド血管障害という病気のときもあり、高血圧性とは一概にいえません。出血部位の頻度は統計により違いますが、被殻出血がもっとも多いことには変りなく、最近では高齢者の視床出血が増えているようです。
 脳出血は1日の内で血圧がもっとも高くなる朝10-12時頃に突然発症することが多く、発症から1-6時間ぐらいのうちに出血は止まりますが、30%は重症で、発症から一時間程度で意識障害が進行し、死に至るものもあります。
 脳動静脈奇形(AVM)は一種の血管の奇形です。普通動脈から毛細血管となり、そこで、酸素や栄養を組織に与え変わりに不要な老廃物を血液に取り込んで、静脈となり、心臓へ戻ります。AVMは動脈が異常な血管の塊を通って直接静脈と繋がっています。AVMは普通は無症状ですが、けいれんを起こして分かる例があります。このAVMが出血すると脳内出血やくも膜下出血を起こします。AVMの出血は若い人に多く、20-40歳台で発症しますから、若い人の脳出血とくに脳葉出血はAVMを疑います。
脳出血は一般に頭痛と嘔吐で発症します。その他の症状は出血が起こった部位によって違います。ここでは急性期の症状を書きます。
 被殻出血では出血と反対側の手足が麻痺し、感覚も障害されます。被殻のみの小さな出血では本来麻痺は起こりません。殆どの場合被殻から少し外側にある内包へ出血し、その部分の障害で運動麻痺と感覚障害がでます。出血が大きいと、顔と両目が出血した側(手足の麻痺が左なら右側)へ向いて自分では治せない状態になり、意識障害が進んできます。右利きの人は言葉を理解してしゃべる機能が左の脳にありますから、左の脳出血が起こると、利き手の右手の麻痺だけでなく言語障害(失語)が起こり、言葉がしゃべれなくなることがあります。
 視床出血では運動麻痺も起こりますが、感覚障害が強く出ます。慢性期になって出血と反対側の手や足が非常に痛くなる場合があります。これは視床痛といい、鎮痛薬が効きません。この場合定位脳手術といって特殊な手術を行う場合があります。それ以外に視床出血では左右の目の位置がおかしくなります、寄り目になったり、両目が下に向いて動かなくなったりします。左側の視床出血では言葉もしゃべれなくなることがあります。高齢者に多い病気で、寝たきりの原因となり、痴呆にもなり易い病気です。
 小脳出血は突発する頭痛、嘔吐、めまいが起こり、立ち上がるとふらふらして歩けません。小脳出血のめまいは非常に強いもので、ずっと続きます。最初のうちは意識障害はありませんが徐々に意識障害が起こり、呼吸状態が悪くなってきます。小脳出血の場合は早いうちに手術すると改善しますから、呼吸障害がひどくならないうちに手術することが必要です。
 橋出血では重症例が多く出血の最初から意識障害、呼吸障害、四肢麻痺(両手足が動かなくなる)が起こります。目も固定し、上下にずれたりして見るからに異常です。また瞳孔(黒目の真中)が非常に小さくなります。瞳孔の大きさは脳の病気の時には非常に重要で、意識障害で、瞳孔が5mm以上に開き、光を入れても縮まない場合は危篤状態です。橋出血は以前はすべて重症と考えられていましたが、症状が軽いものでCTやMRIでみると小さな橋出血が見つかる場合が増えてきました。

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