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2018年11月13日 (火)

高血圧性脳出血

高血圧性脳出血についてお話しします.脳出血は,昔は脳溢血とも呼ばれていたことがあり,脳の中の血管(主に直径200-300μmの細い動脈)が破れて脳の中に出血し,血液の塊(血腫)が脳細胞を圧迫して壊してしまうことで発症します.突然に頭痛,嘔気,意識障害,運動や感覚の麻痺,言語障害などをきたします.そして血腫が大きくなると脳浮腫も伴って頭蓋内圧が高くなり,脳ヘルニアをきたして脳幹部を障害して死に至ることもあります.この脳ヘルニアですが,ヘルニアとはそもそも組織が圧迫などにより元々ある場所から境界を越えて飛び出すことを言い,脳は頭蓋骨という硬い組織で出来た空間に閉ざされて存在するため,圧がかかると逃げ場として空いている隙間を超えてはみ出すことになります.このためはみ出された側も圧迫されることになり,脳出血により大脳テントといって大脳と脳幹や小脳を水平に仕切っている部分を超えて大脳の側頭葉が下方に向かってはみ出すと中脳などの脳幹を圧迫することになり,眼球運動の障害など脳神経の麻痺や意識障害をきたします.脳出血の原因は約70%が高血圧によると言われており,細い小動脈に血管壊死という動脈硬化性の病変が出来,小動脈瘤を形成し,これが破裂して出血をきたしたり,その他には脳動脈瘤,脳動静脈奇形,腫瘍内出血,脳の外傷,白血病などの血液疾患なども原因となります.高血圧性脳出血は最も頻度が高いのは被殻出血(40%)と視床出血(35%)で,これにより対側の片麻痺や感覚障害をきたします.そして治療ですが,血腫の増大は,発症後,数時間以内に約20%の患者さんに見られますが,だいたい3-6時間で血腫の増大は止まると言われております.血腫の検査としては頭部CTが緊急性の意味からも有用です.一方,脳浮腫は出血後3日目くらいから強くなり,1週間くらいしてピークを迎えます.脳ヘルニアを併発して状態が急変しないように監視することが必要です.このため脳出血の急性期の治療としては,血圧のコントロールと脳浮腫の対策などがあります.血圧はあまり下げすぎても脳血流量が減少して循環が悪くなるため降圧剤投与前の8割程度に血圧を下げるようにしているようです.また血腫を除去する手術をするかどうかですが,出血量が10ml以下と少ない場合や神経症状が軽微な場合,意識障害が極めて重い場合は適応がないとされています.そのほかのけいれん発作,消化管出血,血糖や電解質異常などに対しても必要に応じて治療を行いながらなるべく早期から積極的にリハビリを行うとともに,1-3ヶ月の間に血圧は140/90mmHg以下にするのが良いと言われております.とにかく脳血管障害は早期発見・早期治療が重要ですので少しでもおかしいと思ったらすぐ病院にかかるようにして下さい.
http://www.itsuki-hp.jp/radio/kako-170402

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