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2018年11月23日 (金)

開頭による脳出血の手術を必要とする患者

平成25年から神経内視鏡技術認定医が常勤となったこともあり、脳出血の手術は内視鏡手術を第一選択としています。 それでも、患者さんにより負担のかかる開頭手術での脳出血の手術を必要とする場合もあります。
平成25年に当館では15例の脳出血の手術治療を行いましたが、内視鏡手術が12例、開頭手術も3例の患者さんに行っています。
開頭による脳出血の手術を要した患者さんは、すべて、脳出血を取り除き、止血をするのみでなく、減圧開頭術といって頭蓋骨を大きく開けて、骨をいったん外 し、冷凍保存しておき、手術の際には皮膚のみを縫合して終了する処置を追加されています。この頭蓋骨は後日再手術をして、もとに戻しています。
なぜそのような処置が必要なのでしょうか?
脳出血とは何らかの原因により脳の血管が破れてしまい、脳の中に出血を起こす病気です。血管から溢れた血液は血腫という血の塊を作り、その血腫が脳に直接ダメージを与えたり、血腫が大きくなることや脳のむくみ(浮腫)により頭蓋骨の中の圧が高まり、正常な脳を圧迫することで脳の機能に様々な障害が生じます。
このような現象は、脳が頭蓋骨という硬い入れ物の中に入っていることで生じるものです。脳の病気を起こすまでは、硬い頭蓋骨が頭部の打撲から脳を守ってくれているのですが、ひとたび脳の病気になるとこれが災いしてしまいます。
普段はない血腫が固い入れ物の中にどんどん入ってくるのですから、頭蓋骨の中は圧力鍋の中のようにどんどん圧が高くなっていきます。このような状態を「頭蓋内圧亢進状態」といいます。
最終的には血腫による直接の圧迫や頭蓋内圧亢進のため、「脳ヘルニア」と呼ばれる生命維持の中枢である「脳幹」が高度に障害される状態に至り、致命的になってしまいます。

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