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2018年11月18日 (日)

意識障害

そもそも意識の定義ですが,医学的には脳が五感すなわち視覚,聴覚,味覚,嗅覚,触覚などに対する刺激を認識してそれらの刺激に対して明確な反応を示すことが出来ている状態とされています.そして意識障害とは,脳の働きが鈍ってこれらの刺激をうまく認識できなくなり,外界の刺激に対する反応性や自発的活動性の低下した状態をいいます。
それでは次に意識を維持している仕組みについてお話しいたします.意識を維持するに当たって最も重要な部位は脳幹であります.脳幹の背側部には手足や顔面からの感覚線維が下から上に向かって通っており.また腹側部には錐体路という手足を動かす運動神経の線維が下行しております.すなわち脳幹は大脳,小脳,脊髄などを連絡している交通の要所のような場所であります.そして脳幹の背側部には,上行性の感覚を伝える線維の1部が網様体と呼ばれるその名の通り網目状に枝分かれしてネットワークを構築している部分に入ってゆき,視床(髄板内核)と脊髄前角へとつながって行きます.このうち視床へとつながって行くものは上行性脳幹網様賦活系と呼ばれ,視床からさら大脳全般に線維を投射しており,感覚情報を脳内各所に伝えていきます.すなわちこの上行性脳幹網様賦活系によって意識が維持(=覚醒)されております.従いましてこの脳幹背側部から視床にかけて障害が起きるか,大脳皮質が広汎に障害されることにより意識障害が起こります.

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