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2018年10月 5日 (金)

リハビリテーションには優先順位が必要

リハビリは目的を明確にして取り組むことが大切です。リハビリをした結果で生活が快適になるという目的です。必要以上のリハビリは、本人にとって苦しいだけで本末転倒です。家庭の事情などでリハビリ後も病院暮らしが予想される場合、一人でトイレに行くことや食事をすることは、快適に生きていくためにできたほうがよいでしょう。けれども着替えは、指を細かく動かせなくてボタンをはめただけで半日疲れてしまうなら、看護師に任せてもよいのではないでしょうか。その人はボタンをはめるために生きているわけではないのですから。
 リハビリの目的、どの程度の訓練にまで取り組むかを決めるには、このように対象となる人の個人的な生活を踏まえて考える必要があるのです。
そもそもリハビリの目的とは何でしょうか。元通りに暮らせるようになることが理想とはいえ、誰もがそうなれるとは限りません。少し考え方を変えてみましょう。体の機能の衰えを例にするなら、視力が落ちた場合にはどうしますか? たいていの人が、目のリハビリに励むのではなく、メガネやコンタクトレンズで補うはずです。このように身体機能の衰えを何かでカバーすることを「外的代償」と呼びます。また、文字を大きくすることもできますね。この様なアプローチを、環境調整といいます。リハビリの本来の目的は、できる範囲でその人らしく生活をエンジョイできるようにすることです。障がいが治らないなら、そしてそれをカバーしてくれる外的代償や環境調整があるなら、どんどん使えばよいのです。

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