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2018年7月30日 (月)

岸田國士『通俗性・大衆性・普遍性』

通俗性と大衆性の区別は、もつとはつきりさせねばならぬが、これは簡単に通俗性とは、芸術的教養なき一般俗衆に、安価な興味と感激を強ふる体の要素を盛つたもので、大衆性とはかかる俗衆の意味でなく、階級としての一社会層の意欲並に好尚を目標とし、人間としての素朴にして健やかな感性に愬へ得る単純明朗な芸術的要素を主とするものであるとしておかう。
 ところで、大衆的ならんとして、通俗性に陥ることがある如く、通俗的なるがために屡々陥るところの悲惨は、それが大衆的ならざることであり、同時に、真の意味の普遍性を失ふことである。
また逆に「大衆」の属性を盾にしておのが通俗性を正当化したがる者がある。端的にいって卑怯なのである。

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