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2018年4月30日 (月)

実験映画

既存の映画の表現形式に拠らない映画を指す。多様な表現方法によって制作されているため、一概に定義することはできない。1920年代のアヴァンギャルド映画の運動を先駆としながら、戦後アメリカのアンダーグラウンド映画の隆盛によって、世界的な映画運動として広まった。商業的な成功を目的とせず、独自の表現方法によって制作された個人の映像作家による低予算の短編作品が多い。アヴァンギャルド映画、アンダーグランド映画、個人映画と呼ばれることもあり、その境界線は曖昧である。ホイットニー兄弟による特殊効果映像が使われた『2001年宇宙の旅』(1968)や、ナサニエル・ドースキーの『Variations』(1998)から着想した『アメリカン・ビューティー』(1999)のシークエンスなど、実験映画のなかで使われた技法や表現方法が商業映画で使われた例も存在する。また、エクスパンデッド・シネマ(拡張映画)と呼ばれる、従来の映画とは違った上映形式で発表される映画も含まれる。現代美術のコンテクストとも重なり合うことが多く、アンディ・ウォーホルのように、美術作家が実験映画を手がける場合も多い。代表的な作品として、マヤ・デレンの『午後の網目』(1943)、ケネス・アンガーの『花火』(1947)、ジョナス・メカスの『樹々の大砲』(1962)、ブルース・ベイリーの『弥撒』(1962)、ジャック・スミスの『燃え上がる生物』(1963)、スタン・ブラッケージの『犬・星・人』(1961-64)などがある。日本では、50年代に始まる松本俊夫らの前衛的な記録映画や、フィルム・アンデパンダン、日大映研の運動を先駆としながら、60年代後半の草月アートセンターによるアンダーグラウンド映画の紹介によって、その運動が国内に広められた。グラフィック集団の『キネカリグラフ』(1955)、実験工房のメンバー(美術:北代省三、山口勝弘/音楽:武満徹)が参加した松本俊夫の『銀輪』(1955)、飯村隆彦の『視姦について』(1962)、足立正生ら日大映研の『鎖陰』(1963)、寺山修司の『トマトケチャップ皇帝』(1970)、若い世代では伊藤高志の『Spacy』(1981)などの作品がある。日本においてはフィルムで制作された作品とヴィデオで制作された作品の両方を包括して、「実験映像」と呼ぶことも多い。

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