唯物論
物質 (ラテン語 materia) を意識に対して根源的であるとし,感覚,知覚,表象など一般に人間の意識を客観的存在の反映としてみる物質一元論的世界観。したがって観念論とは根本的に対立する。古来唯物論は観念論と並んで哲学の発生以来さまざまな形をとって哲学史を貫いている。そのおもなものには前5世紀ギリシアの原子論者たち (レウキッポス,デモクリトスなど) ,17世紀のイギリス唯物論 (R.ベーコン,T.ホッブズ,J.ロックなど) ,18世紀のフランス唯物論 (D.ディドロ,J.ラ・メトリ,C.エルベシウスなど) ,19世紀ドイツの生物学的唯物論 (K.フォークト,J.モーレショット,E.ヘッケルなど) が数えられる。 19世紀後半ヘーゲル左派より出たマルクスやエンゲルスはこれらの唯物論が科学的成果に立っていることを評価しながらも,それらが虚妄な哲学的世界像を含んでいることを批判し,より科学的な弁証法的唯物論を提唱し,これが今日の哲学界では唯物論の最も大きなものとされている。
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