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2017年5月25日 (木)

『朝日vs.産経ソウル発―どうするどうなる朝鮮半島』黒田勝弘/市川速水

今さら言うまでもないことだけれど、いわゆる「従軍慰安婦問題」は、吉田清治『私の戦争犯罪 -- 朝鮮人強制連行』というトンデモ本に端を発する。後に著者の吉田清治自身が、それが“創作”であることを認めている。

『朝日vs.産経ソウル発―どうするどうなる朝鮮半島』の中で、朝日の市川氏は言う。
「慰安婦の強制連行はなかった」という論がまかり通っています。黒田さんの調べでも、強制連行はなかった、あったと言う人の証言はウソだったという。現実に韓国だけでも100人以上の元慰安婦がいますが、僕の取材でも、腕を引っ張られて、猿ぐつわはめられて、連行されたという人は一人も現れていません。だから、強制的ではなかった、さらに、慰安婦問題はなかったとさえ言う人がいるわけです。でも、そうじゃなくて(後略)
 
そうじゃなくて、「広義の強制」はあった、という例の“論理のすり替え”がこの後に続くのだが、百歩譲ってそうであるなら、最初からそのように報じればいいのである。恣意的に史実を歪め、センセーショナルなキャンペーンを張ることを正当化する理由になどなりはしない。
左翼におもねったこのようなデマが、日韓両国のナショナリズムを煽り、不必要に先鋭化させているのである。

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