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2017年5月24日 (水)

利己的

そもそも「民主主義」が最善の政治体制であるとあらかじめ決まっているわけではない。より有効と思われる選択肢を私たちが持っていないだけだ。
しかしこれを選択する以上、「数」は合理的に抽出されなければならない。当然だ。なぜならその抽出のプロセスが「民意」を正当化するからだ。
 
では民主主義の社会におけるデモの意味って何か?
私はデモそのものを否定しない。実際、それは政策に一定程度反映される。
なぜか? 
デモ参加者の動機の純粋性?
否。議員が「次の選挙」を睨むからだろう。
 
仲正昌樹は著書『ポストモダンの正義論』の中でロールズの「無知のヴェール」という考え方に触れ、〈“人間としての自然な情”に直接訴えるのではなく、エゴイスティックな人間のリスク回避傾向を利用する戦略を取ることで、マルクス主義的左派やラディカルな新左翼に見られる“共感”の押しつけを回避しようとしている点は重要である〉と評価している。
 
これと同じ「力学」で、デモは為政者の利己的心性に働きかけている。つまりデモの有用性もまた「選挙」という民主主義のシステムによって担保されているわけだ。私はそう考える。

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