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2017年5月23日 (火)

コノテーション

コノテーション 【connotation】

[1] 言外の意味。含意。

[2] 〔専門〕 論 内包。共示。潜在的意味。⇔デノテーション

[3] 〔専門〕 論中世論理学で、ある語が具体的事物を指示するとともに、抽象的事物を随伴的に指すとき、この後者の働きをいう。例えば「白いもの」は、具体的な事物を指示しつつ、同時に「白さ」を随伴的に指しもする。

通常、俳優というものは、台詞のコノテーションに敏感なものだ。隙あらば、作家の意図していない「行間」まであえて誤読して、自らその役を「おいしく」仕立てようとする。
舞台に立つ者として、この自己顕示欲は基本的に、正しい。
しかし希に、これと真逆の働きをする役者がいる。
台詞から当然イメージされるであろう抽象性=比喩を排除し、むしろそこに〈書かれてあるとおり〉の具体的現象に解釈を矮小化してしまうのだ。
なぜか?
戯曲の構成要素の相互関係から「役」を読み取ることをせず(できず)、「割り振られた」台詞から刹那的に感情をこしらえようとするからだ。
演劇を自己啓発か何かのツールとし使用するならそれでいいのかもしれないが、「俳優」としては、それではまるで足りない。

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