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2017年5月25日 (木)

書かされる

たとえば登場人物Aの足のサイズをどうやって観客に知らせるか。
A(独白)「私の足のサイズは23です」
シンプルな説明。
B「Aって足のサイズいくつだっけ?」
A「23よ」
対話の体裁を採ってるが、実はその分、独白よりタチが悪い。Bがそれを訊く動機は何なのか? それが構造化されていないのを「ご都合主義」という。
C「いらっしゃいませ。よかったら履いてみてください」
B「これなんか可愛いんじゃね?」
A「うん」(靴を履く)
C「いかがですか?」
A「うーん、ちょっと小さいみたい」
B「もうひとつ、上のサイズ、ありますか?」
C「いくつでしょう?」
B「いくつ?」
A「23」
C「少々お待ちください」
これくらいやってはじめて描写といえるんではないか。
   
ところで、Cは靴屋の店員らしいとわかるだろう。
では、AとBの関係は? 
恋人同士かもしれないし、兄妹かもしれない。いずれにせよ私はそれをあらかじめ決めて書いていない。書いてしまってから二人の関係について想像を巡らせる。
すべてのケースでそうだとはいわないが、かように作者が登場人物の関係を事後的に決定するということはしばしばある。テクストが作者にそのチョイスを迫るのだ。
「書かされる」というのは、作者とテクストの間に働くそういう「力」に従うこと。

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