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2017年5月23日 (火)

木田元『反哲学入門』

西洋哲学はプラトン以降「超自然的な原理を参照して自然を見る、という特異な思考様式」が伝統的で、自然的世界は自己から断絶された分析と操作の「対象物」「材料」だった。ニーチェはそこからの脱出を図る「反哲学者」だった。すなわちニーチェ以前/以降という言い方ができる。ざっとそんなことが書いてある。
 
私は共通一次の社会を「倫理・政経」で受けたんですが、高校の授業に「倫理」がなかったから、参考書を買ってきて独学したんです。
高校生の私には、プラトンの「イデア」的な世界観が親しみやすかった。ガキにも分かる(分かった気になる)イデア論。
これ、わりと誰でもそうなんじゃないかと思う。若者は「自分探し」をしたがるでしょう?「本当の自分」とかいって。
しかし「本当」なんてどこにもないんだ、というのをすごく強調したのがニューアカだったんじゃないか。大学に入って私はその残り香をかいだ。
 
「ニーチェ以降」の立場で「正義」なり「公共」なりを考える。そのためには実際的な「経験」が必要なわけです。書を捨てよ、町へ出よってなもんです。その「経験」を取材対象とする。そのために、自己相対化が必要になる。
私が私の向こうに世界を見るんですよ。

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