損益計算書
経理部時代、会社のB/SとかP/Lって見たことない。
ないこたないのかもしれないが、ヒトゴトでした。実感ない。
自分の担当する事業部の予算は、数字に「愛着」がありました。
継続して毎日見る、というのが大事で、するとヘンな数字は「ん?」と気づく。
これって、たとえば学者や学生が一人の作家や評論家を専門に追いかけ続けると、その独特な言い回しや造語のニュアンスがなんとなくわかってくるのと似てる気がする。閉じてはじめて見えてくる。構造としては女子高生の「ヤバイ」と一緒。
で、「ヤバイ」はどうでもよくて、P/Lですよ。損益計算書。
小劇場演劇のチケットの値段設定って原理は実に単純で、製作費の予算を観客動員数の予算で割ってやればいい。
これでトントン。でしょ?
すると、ウチ程度の規模で、ラクに5千円を超えます。
新劇や商業演劇並みに脚本料・演出料などを設定したら、もっと。
労働価値説でいけば、これでいいわけです。
しかしこれじゃあ市場で取引されない、つまり誰も買ってくれない。小屋ごとの相場ってもんもあるし、そんな値段はつけられない。
なので削りやすいとこから削っていくことになります。主宰が作・演出を兼ねてれば、脚本料も演出料もゼロに設定し直すんです。
マルクスの敗北ですよ。
なのに演劇人がいまだにヒダリマキだらけなのはどういうわけなんでしょう? いや、だからこそ資本主義を否定したいのか。
文化庁主催の公演で、チケット2500円てことがありました。
相場の半額ぐらいじゃないですか。
なぜそんなことが可能か?
もちろん税金が使われているからです。出演者・スタッフのギャラも私の原稿料もほぼすべて税金。
けど、納税者でもある観客には「良心的」な料金設定とか言われるんですね。朝三暮四。
そりゃ民主党が「高速道路無料化」をいうはずだわ、と思いました。
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