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2016年4月 5日 (火)

反原発イデオロギー

データに基づく定量的リスクの比較に関する言説に対して、いまだに必ず返される「自分で住んでみろ」という戯言。
まさに「空気」(山本七平)。

原子力発電について三、四時間かけて正確な情報を提供し、相手の質問にも応じ、相手は完全に納得したはずなのに、相手はそれで態度は変えない。そして、いまの説明を否定するかの如く見える一枚の写真を見せられると、その方に反応してしまうという。

しかも「住め」などとは誰も言ってない。嫌なら住まなきゃいいのである。
ただ、そこを故郷とし、離れがたく思っている人には、定量的なリスクの比較によって主体的に住む/住まないの判断・選択が可能な政治的環境を整えるのが望ましい、という主張に対して「おまえが住んでみろ」。
 
疲れません?
 
その「おせっかい」の源泉って何なのだろう? 
それが定性的評価に基づく絶対的「正義」だよ。
その「正義」に基づく反原発イデオロギーだよ。
そのイデオロギーを支えるのが「庶民=善/国家・東電・その他金持ち=悪」という単純化された構図で描かれる「児童ブンガク」の物語だよ。
「児童ブンガク」って造語がわかりにくい? だったら「ワイドショウ」と脳内変換すればいいよ。定量的/定性的っていうのがわからない? 頼むから辞書ひいて。
 
かようにバカが善人ヅラして被災地に「呪い」をかけ、ひとの故郷を奪っているんだよ。いまだにまるっきり自覚がないようだが。
 
いいですか。私は今「バカ」といいましたが、生まれつきの頭の良し悪しを問題にしてるんじゃないんですよ。ましてや卒業した大学名や経歴を問題にしてるんでもない。
ハッピーになりたい、あるいは人をハッピーにしたいと思うなら、その気持ちの純粋さ=アツい思いを語るだけじゃダメなんだ。冷めた合理的思考の裏付けが必要なんだ。言葉に責任を持つというのはそういうこと。
そのダメ出しにいつまでたっても反応しない(できない)思考の怠慢をバカといっているんだよ。

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