思考の怠慢
科学的根拠の怪しい「知識」を掻き集め、そいつを精査することもなく、通俗的な「道徳」を振りかざし、善人ヅラしてデマ拡散に荷担する。
震災後、何度となく繰り返され、そのたびにその独善性が批判されてもきたはずだが、おそらく、なんで批判されてるのかが根本的にわかっていない。だからこの期に及んでこうした過ちを平気で繰り返す。
ポイントは「通俗的な道徳」、これなのだ。
なにやらオカルトめいた、自己啓発本的術語を駆使して、論理的思考を退ける。なにしろ、「思いやり」だとか「優しさ」だとか「子を思う親の気持ち」だとか、そういう〈動機の純粋性〉に基づくおのが言動が誰かを傷つけたり、誰かに批判されたりするはずがない、と高をくくっている。
この恐るべき自己相対化能力の欠如!
こうした底の浅い「善意」にあぐらをかいた態度を私は「思考の怠慢」だといっているのだ。
すでにさんざん「種明かし」のされた統計のマジックも、その場じゃ「なるほど」と頷いて見せるけれども、3秒後にはもう忘れている。バカなら黙ってりゃいいものを、決して学ばぬこの手の者ほど、しかし学んだふうな顔をしたがるのだから、ほんとうにタチが悪い。
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