雇用市場
「ピケティ特集」目当てで買った経済誌をパラパラめくってみる。
「雇用」と「大学」にかんする記事に目がとまったのは、それに関係する芝居を今、書いているから。
1969年に日経連が「能力主義管理 その理論と実践」という報告を発表。これは終身雇用・年功序列を前提とし、新卒一括採用で、時間をかけて人材育成するという発想。これが、ゼネラリスト>スペシャリストという、私らバブル世代にも支配的だった価値観の後ろ盾としてある。
1995年にこれが大きく変わる。
日経連は「新時代の『日本的経営』」という報告を発表。長期雇用と短期雇用を組み合わせたポートフォリオの考えを打ち出し、この戦略変換を国の政策が支えた。一連の「規制緩和」が、それ。
雇用市場の変化は大学のありようにも影響する。
95年以前では、就職時に「専門」が重視されないから、大学はアカデミズムに専念できた。(ま、実際には、「夏はテニス冬はスキー」のバカ学生を量産したし、芝居なんぞに明け暮れてぜんぜん授業に出てこない、私のようなチンピラを生みもしたわけだが)。
それが、95年を境に、学生がやたら「資格」だなんだと言い出すようになる。たとえば『資本論』なんか読んでる暇があったら簿記でもやった方が社会に出てから役に立つ、というわけ。
私は、こういう時代背景の変化を「実感」として理解できてないもんだから、「なんだか最近の学生は妙に打算的だなあ」などと、思っていたわけです。
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