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2014年12月27日 (土)

喫煙シーン

ジブリの『風立ちぬ』の喫煙シーンにケチがついたことがあった。

〈学生が「タバコくれ」と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙を助長し、国内法の「未成年者喫煙禁止法」にも抵触するおそれがあります〉など、ナンセンスで反論する気にもならない。煙草=絶対悪にまつわることは、いかなる文脈で叩いても正当化されるというわけだ。

私自身は相変わらずの喫煙者だが、そうした嫌煙ファッショ的風潮を受け、確かに私の書く戯曲でも喫煙シーンが減った(皆無ではないけれど)。

ひとつには消防法上の問題がある。舞台上での火の使用はたいていの小屋で禁じられているが、昔は、煙草程度はOKというところが多かった。また、制作上、嫌煙の観客に対する配慮も、正直、なくはない。

だが何より、テクストが作家に要請するのである。

つまり、虚構の中に置かれた「煙草」は、もはや完全に近過去を示すアイコンとなってしまったということだ。

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