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2014年12月29日 (月)

重力

〈役〉というものは演者の主観の外化などでは決してなく、常に観客との間主観性に立脚してようやく成り立つ、あらかじめテクストの構造に組み込まれた存在である。

たとえばそこに椅子がある。
とりたてて特別な設定が示されてない条件下、演者が椅子の傍らに立つ。
演者がとるべき次の行動は?
当然、「座る」だ。
あたかも登場人物と椅子との間に「重力」が働くように、演者の行動は、いわば唯物論的な制約を受ける。
むろん、「重力」に逆らってあえて「座らない」という選択はあり得る。だがその場合、それなりに納得できる理由がいる。
誰が「納得」するのか? 演者か、演出家か、それとも作家か?
否、〈観客〉である。

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