『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』益田ミリ
ストーリーやエピソードだけを取り出せば、確かにどこかで一度は目にしたことのあるようなありきたりなものなのだが、チョイスされる平易な言葉と、比喩の構造化のセンスによって、凡庸なステレオタイプを免れている。
自分が作者と同世代ということもあるのかもしれないが、あーわかる、わかる、と面白く読んだ。
ところで内田樹による帯の文。
この人選に、どれだけ作者の意向が反映されているのかわからないが、とにかくセンスが悪い。
男って、バカでごめんね。
益田ミリさんの漫画を読んでいると、「男にはデリカシーがない」ということがひしひし伝わってきます。
男性一同になりかわりまして、お詫び申し上げます。
この恐ろしくユーモアセンスに乏しい、しかし書いてる本人にはまったくその自覚がないであろう、まさに「デリカシーのない」文章。何が〈男性一同になりかわりまして、お詫び申し上げます〉だ。お前個人のデリカシーのなさを男一般に敷衍すんなと言いたい。
ひょっとしたら、「どうしても嫌いな人」の典型として、この男が選ばれたのかも知れないな。
« オンリーワン | トップページ | 『リバース・エッジ』岡崎京子 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「くださる/いただく」問題(2016.06.07)
- 三浦瑠麗『日本に絶望した人のための政治入門』(2015.06.24)
- 石平『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(2015.06.02)
- 篠原常一郎著/筆坂秀世監修『いますぐ読みたい 日本共産党の謎』(2015.05.24)
- 『「みんな」のバカ! 無責任になる構造』仲正昌樹(2014.12.16)
コメント