就職できない若者
私が会社員をしていた頃は、いわゆるバブルの末期で、ファストフードのアルバイト店員の月収が上場企業の新入社員のそれを上回るなんてことがザラにあった。
そういう時代を背景に、労働力の流動性を促す言説はそれなりの説得力を持っていた。「終身雇用などもう古い。フリーターこそが新しい働き方だ」などという言われ方をしたものだ。
しかしその後の長い不況により、バブル時とはべつの文脈で、終身雇用の「幻想」は崩れた。
そもそも「新卒主義」は「終身雇用」とセットとしてあったのだろう。にもかかわらず、前者だけが形骸化して今も残っている。あたかもこの社会にアプリオリなものであるかのような顔をして。私にはそう見える。
「就職できない若者」問題は、こうした制度的、構造的なものである。ここを論じることなしに、いくら共産党的正義感=センチメンタルなマルクス主義を強調し、俗情との結託を図ったところで、問題は何も解決することはない。
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