白ける力
海外の某作家について調べ物をするうち、おそらく日本で唯一、一般にもその名が知られている戯曲賞である「岸田國士戯 曲賞」の、2004年の選評にたまたまたどり着いた。
選考委員の岩松了氏はこう言っている。
選考委員の岩松了氏はこう言っている。
「例えば、それらしいことを言う主人公、そのバカさ加減、ここに思いを至らしめるところに、演劇の、あるいはその主人公の救いはあると思うのだが、思いそこに至らず、自分の劇世界に酔い、「どうだ、いい台詞だろう」と自慢顔している劇作家の姿を想像することは、いかにもつらい。」
私も劇作家の端くれとして肝に銘じたいものだ。
「台詞は、作家の頭脳が産み出すものではなく、見られるさだめにある人間の肉体を通した作家の劇精神が発する。」
「どんなに観客が笑おうと、泣こうと、その観客席の一番うしろの席
に、いつも表情をかえずに舞台を観ている人間がいる。その人間を 想像しつつ書くことが劇作家のつとめだと私は思っている。言うな れば“白ける力”これが劇を風化させないために必要だろう。 」
いいこと言うなあ!
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