バブル世代
世代論みたいなものにはあまり与したくないのだが、ある本の中で、私と同世代の学者が、いわゆる「バブル世代」についてその特徴を記述しており、なるほど確かにそうかもな、と思ったのだった。
いわく、〈この世代は共同体的なものを否定して脱アイデンティティでいかなくてはいけないという発想がとても強い。思想的には80年代ニューアカ的知的流行の影響を受けていて、なんでもネタとして捉えてしまう。ベタなものが嫌いで、そういうスタイルを受け入れられず、全部ネタのレベルで解釈してしまう〉とのこと。
しかし当時、たとえば浅田彰的なものに自分が心酔してたかといえば、そんなことは全然なくて、むしろ、デリダだフーコーだ ドゥルーズだって騒いでるような連中をこそ「ネタ」として笑い飛ばしてたくらいなのだが、翻っていえば、それほどまでにフランス現代思想の影響力は絶大だったということだ。
一般的にポストモダンは行き過ぎた相対主義と批判されたものだが、それゆえに、同世代の人間がいとも簡単に旧態依然としたイデオロギーに旋回していく昨今の単細胞化傾向を目にするにつけ、おまえらあの頃いったい何をしてたんだ? と問いたくなる。
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