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2014年8月25日 (月)

『砂男』ホフマン

「目」にまつわる怪奇小説。
読後感がカフカの「変身」に似てるな、と感じた。最後、主人公が死に、残された者はいわば厄介払いで、むしろハッピーなとことか。

暗喩によってもたらされる小説固有の不気味さを、舞台化することって可能だろうか? などと、ついつい考えてしまう。
たとえば、こんなくだり。

コッポラはいそいで晴雨計をわきに置くと、だぶだぶの上衣のポケットに手を入れ、柄つき眼鏡やら普通の眼鏡やらを取り出してナタナエルの机の上に並べはじめた。
「ほうら、ほら、鼻にかけるとよく見える―とてもすてきな目玉だよ!」
そんなことを言いながら次々と取り出しては並べていく。みるまに机の上が異様にピカピカ光りはじめた。数知れない目がギラリと輝き、おりおり烈しく目ばたきしながらナタナエルを凝視している。

 

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