火星人
火星人は存在するか?
「存在しない」と、私はこたえる。
むろん、ものごとに100%ということはない。それはすべてに大前提のことであるから、いちいち臆病な「推測」の形をとらない。
たとえばそんな話をしている今、突然、空からUFOが降りてきて、目の前に火星人が現れたとする。
「そらみたことか!」と、オカルト信者は得意げに私の顔をのぞき込むだろう。「おまえは存在しないと言ったよな?」
私は、「で?」ってなもんだ。
信じる/信じないの話じゃない。
「論点」は、そこにはない。
「存在する」と結論づけるに足る、少なくともその蓋然性がじゅうぶんあると判断するに足る、客観的、科学的エビデンスが何もなかった。
その「事実」を、目の前の火星人は、覆しはしないのだ。
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