鉄と綿
鉄1kgと綿1kg、どっちが重い?
“トンチ”や“なぞなぞ”でない限り、もちろん、どちらも同じ1kgだ。
この程度に抽象的な「前提」が共有できないレベルの生徒が結構な割合でいる、そういう中学校を卒業した。
理科の時間、班で何か発表をする機会があり、ある班員が私に問うた。
「その1kgは、鉄? それとも綿?」
「どうして?」
「どっち?」
「素材は、べつに、どっちでもいいよ。そういう話じゃない」
「どっちか決めてくれなければ困る!」
誰にも同じ時間が流れる。
あの班員も大人になり、選挙権を行使している。
そういうことなのだ。
つまり昨今、とくに震災以降のこの三年間、「価値観の相違」以前のところで議論の噛み合わぬ、絶望的に言葉の通じぬ場面にしばしば出会い、私はそんなことを思うのである。
映画「スタンドバイミー」にはこんな台詞があるそうだ。
「子供時代は二度と続かない。でもバカは一生続く」
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